過日ご紹介した「ぶん文Bunレビューキャンペーン」!新たに感想をお寄せいただきました!

今回の投稿は、ぶん文Bunネーム「ななろくに」さんから。第161回芥川賞受賞作の『むらさきのスカートの女』をお読みいただきました!


『むらさきのスカートの女』(今村夏子)

スカートから4本の足、不思議な装画の表紙に惹かれ手にした。

お決まりのベンチとクリームパン。ほのぼのとした始まりには、クスッと笑える場面もあって楽しい話が広がる予感。私も主人公と一緒に、むらさきの女の日常に興味をもって観察している気分になった。

でもでも途中から、妙なザワつき感。これって変、まるでストーカー状態。主人公が異常に思えてきても、私もさらに一緒の目線で、ひたすら昼夜の観察。中盤に幸せな光も差し「よしよし、その調子、むらさき頑張れ」と応援モードも楽しんだ。

しかし終盤は、一気に毒気が漂ってきて、もう想像もつかない状況に、ハラハラとページをめくり続けた。

最後の一ページにゾクッとさせられ、本をとじた。ひと息ついて、改めて表紙の絵を眺めた。そうきたか。軽いようで深い物語だった。

秋めいて肌寒くなった9月10日、一晩で読みきった。かてりえの書棚で、こちらを向いていたから手に取った一冊。


芥川賞作品に果敢なチャレンジをしてくれた「ななろくに」さんの手書き原稿はとても綺麗な字で編まれていました。ぶん文Bunへいらしてササっと書いたとはとても思えないくらいです。

またたいへんな読書家とあって、ものがたりの主軸となる事態のはこび・・・そして感情の動きをお掴みになるのがお上手です。それでいてネタバレもなくまとまっていると思います!

ななろくにさんが言う「妙なザワつき感」が何なのかは、ぜひぶん文Bunで『むらさきのスカートの女』をお手にとり確認してみてください。

ぶん文Bunレビューキャンペーンの詳細、ご応募方法はこちらの記事をご覧ください。多くのご応募を、コハチローとお待ちしております!

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ぶん文Bunネーム「ぽよ」さん — 『日本語のために』(池澤夏樹編)

(クリエイティブ司書・小宮山剛)