大きなまあるいお鍋の中のふっくらしたカステラ。

まだまだ眠たくないと駄々をこねてこっそり起きていた夜。

おぼろげだけど、どこか懐かしいその記憶を丁寧に切り取ってやさしく包んでくれた絵本。

『ぐりとぐら』でお馴染みの中川李枝子さんと『ねないこだれだ』で有名なせなけいこさん。

こどもたちと同じ目線で紡がれる世界は大人になった私たちにも優しく寄り添ってくれます。

 

今年訃報が発表されたお二人を偲んで遠い思い出を振り返ってみましょう。

眠れない夜に黄色いおおきなカステラを思い出して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐりとぐら』と言ったらこれ!というくらい有名なお鍋のカステラ。

実は材料の卵の殻は再利用されています。何に使われているのかは本を読んでみてのお楽しみ。

ピクニックをしてカステラを作るイメージが強いけれどふたりとも(二匹とも?)案外忙しい。

おおそうじの文字を見て筆者は少しぎくっとしました。

(なんとまだ引っ越してきた時の段ボールがそのまま開かずの箱になっています)

 

 

『ねないこだれだ』はまだ寝たくないと駄々をこねる子供をおばけが連れ去ってしまうお話です。

初めて読んだ時に子供が帰ってくる描写のないまま終わったことが怖くて怖くて仕方がなかったものですがせなけいこさんの作品には意外と多い展開です。

『きれいなはこ』もそのひとつ。

きれいなはこを取り合ってけんかが起きてしまいます。その結末は……

すべてちぎり絵で表現されているせなけいこ作品。

その世界はどこか明るくてとても鮮やかです。

 

中川李枝子さんからこどもを見守るすべての人に送る名著も。

 

 

 

 

 

小さな絵本も取り揃えております。

 

いよいよ冬本番。椎葉から見える山並みの中にも、ちらほら冠雪が確認できます。

村内各地で夜を徹して舞われる神楽は、寒さの中でも一際荘厳です。

今年も大変お世話になりました。来年もぶん文Bunにどうぞお越しください。

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今回の特集棚担当は、あまりの寒さにおこたを買ったら今度は出られなくなったとまり木司書・髙橋です。

冬眠を視野に入れたい。