椎葉の中でもとりわけ豊かなのが、虫。
蟲とも書きます。豊かさが際立ちますね。
気持ち悪い? いやいや、われわれ人間とここまで切っても切れない生き物、そうはおりません。

というわけで、虫とそれにまつわるいとなみの新着本、入りました。

まずは全周。

では、いつもどおり細かく見ていきましょう。

↑ 虫です。地上に10,000,000,000,000,000,000匹いるそうです。1000京匹、なかなか聞かない単位。それを中心に置いてぐるりの本たちは、稲作(嫌な予感)の小説から、動物農場、菌類の世界、もう見られない絶景。そして我らが椎葉村の生んだ名著『おばあさんの植物図鑑』が満を持して登場。

(今月の1冊!)
『虫・全史 1000京匹の誕生、進化、繁栄、未来』(スティーブ・ニコルズ、日経ナショナル ジオグラフィック)

↑ その下、われわれのぐるりの世界について。旅の写真集、気候変動の世界で生きていく本、うみへやまへ行く両面絵本(!)、山へ行くための新書、そして自然と共に生きるボリビアの神話。

↑ 「世界」と「地元」の話は続きます。われわれとは違う(しかし繋がっている)世界を描く「十二国記」シリーズ。そして身近な九州の本たち。地元を研究するアーキビストと足元で研究する在野研究者、などなど。

↑ その下。こちらは「手元」で作る手工芸の本たち。デザインやロゴだって現代の工芸ですね。そして今より自然や手工芸がずっと身近だった、室町時代(乱太郎)と江戸時代(あじ)。

↑ 「芸」とくれば語り芸、演劇。そして物語を収めておくのは本、マンガ、図書館。図書館と言えば建物。

↑ 建物から繋がって、ファンタジーアートのお店(と、アート全般)。学校だって建物ですよ。寺子屋と教育。忍者たちの学校。としょかんとかばんやさん。

↑ 「語る」とくれば言論、報道、文章。語る前に(あるいは語らずに)考えるための哲学。市井のひとびとが語った『沖縄の生活史』も入りました(なお両隣は『離島建築』と『辺境のラッパーたち』)。

(今月の1冊・おかわり!)
『沖縄の生活史』(石原昌家・岸政彦・沖縄タイムス、みすず書房)

↑ 翻って、こちらはひとつの時代の「史」。昭和時代を知る皆さん、どんな子どもでしたか? その下は室町時代の忍者の子たち。その横には昭和を振り返る新書、軍事を語るための本も。

↑ スポーツ界にも、語られる言葉はもちろんあります。監督や審判、選手の声。そして社会を変えていくための声。今なお止まない差別をひっくり返していくための声。

↑ 声を上げるには見て、学ばなければ。企業ミュージアムと戦争ミュージアム。今まさに衆院選が佳境ですが、選挙と民主主義の本。日本の社会問題の本。そして、意外と知られていない中世ヨーロッパの本。最下部の絵本たちは、子どもから見つめた身の回り。

↑ 見つめて学ぶための本たちは続きます。経済のしくみを知るための本。今の社会問題や不平等を認識するための本。そして、犠牲にされがちな心の病の本。

↑ しんがりは「見つめて学ぶ」の真骨頂、科学の本たち。そして科学全盛期と言われる時代でもゼロにはできない、子どもをなくす本。なお、嬉しいことに1冊借りられてますが、いつの時代も興味は尽きない、こんな本です。

語るひとも、考えるひとも、頭がこんがらがっちゃったひとも、ぶん文Bunにどうぞお越しください。
虫めづるひとは、移住ウェルカムです。

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今回の新着棚&ブログ記事は、街中の屋内でイスに座ってただけなのにムカデに噛まれた「飛び出す司書」がお送りしました。
共存とは痛いものですね。