私たちは想像の翼を巧みに操り、物語(フィクション)の世界を縦横無尽に飛び回ることができます。そして、そんな営みがとっても大好き。

でも、古くから伝わるこんなことわざもあります。

「事実は小説よりも奇なり」

実は物語って、小説に代表されるフィクションだけではないのかもしれません。

フィクションほどに物語るノンフィクションの世界へ、ようこそ。

 

手前の棚が私「時おこす司書」が手掛けた特集棚。その一つ後ろに見ゆるは、10月に新たに着任された司書(名前はまだない)高橋さんによる「ファンタジー」の特集。相対するテーマの特集でお届けしております。

角度を変えますと目に飛び込んでくるのが、絵心ない系司書・時おこす司書が端から諦めた黒板アート。今回は、絵心ある系司書・髙橋さんにお願いいたしました。どう猛さとかわいらしさが共存する熊が喰ってかかるは、フィクションかノンフィクションか、それとも…。

ノンフィクションの奥深い世界を見ていきましょう!

人間の肉眼に見える世界なんて、この世界のほんの一部。森、山、海、川といった自然界には、それはそれは私たちが想像もつかないような多様な動植物、生物たちが暮らしています。そんな多様な仲間たちと共生しているということが物事の根幹にある、その事実を忘れたくない、そんな想いから今回の棚はスタートです。

でも、そんな想いとは裏腹に苦しい現実や闘いの場があちこちに横たわっています。

闘いだけではなく、戦いも絶え間なく起きています。悲惨な戦争に巻き込まれた、それぞれの立場の記憶に触れられるノンフィクションたち。

戦後復興の象徴、1964年の東京五輪。そして今やノスタルジーを喚起するドライブイン(椎葉にもあります)。

平和の祭典であるオリンピックは、今、果たして平和をもたらしているのでしょうか。残念ながら、勇気と感動だけじゃないスポーツを取り巻く環境。いたって身近なスポーツに関する問題ですが、この2冊は暴走に待ったをかけてくれることでしょう。

さて、再び下段に目を移しますと、日本、台湾、インドといったアジア各地のホームレス、ゴミ山問題が目に飛び込んできます。

 

そこにあるのは悲壮感でしょうか。

裂かれ、追いやられ、「無」を突き付けられる人々と、それを突き付ける社会について考えたいですね。

自分ではない誰かの痛みを想像する時間を持っていたい、そんなあなたにこちらのノンフィクション。

 

文化や芸術は、時に真正面からストレートに、時に思いもよらない角度から婉曲的に社会をあぶりだします。

食べることは生きること。毎日のことですが、接し方を変えるとこんなにも見えてくる景色が広がっています。

現実に絶望して、現実から目を背けて、でもまた結局帰ってきて。大泣きしてたらお腹が空いてしまった。そんな時には、ほっと一息、注文に時間がかかるカフェに行くのもよさそうです。

さぁ、心も身体もリフレッシュできたことでしょう!希望をどこかに落とさないように携えて、次なる冒険へ旅立ちの時です。

おっと、熊出没注意ですね。

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今回のお相手は、「時おこす司書」藤江でした。高橋さんが担当された「ファンタジー」特集棚A面と併せて、「物語るノンフィクション」特集棚B面もお楽しみいただけましたら幸いです。