新しい特集棚は、二段構えの豪華構成。
去る6月29・30日、椎葉中学校の生徒さん4人が、職場体験で組んでくれました!

2組に分かれて、それぞれ1日がかりで特集棚作りを実践。
テーマ決めから本選び、レイアウト、最後の黒板デザイン&設置まで、まるごとやってもらっちゃいました。

まずは1日目、テーマは「日本と海外の料理」。

刺激的なキャッチコピー。私の体の半分はたぶん糖質です。

まずは棚の表側。トップに食全般の本を置き、右半分は日本の食、左半分は海外の食という、練られた構成。

棚の裏側。表側に対応しつつ、文化面へトピックが広がってゆきます。

てっぺんにドンと置かれた大事典・大全。それぞれの料理がまるごと分かっちゃう。

そしてキッチンだって料理文化の重要な一部。

食べ物と日本人。馴染み深いものも、色々な意味で手の届かないものも。

その裏側。食から広がって、料理研究家のエッセイ、食の研究、椎葉に身近な焼き畑、クジラ問題まで多彩。

近年一番ヒットした料理漫画といえばトリコ。「漫画は日本文化だから選びました」とのこと。確かに!

料理アドベンチャー漫画の裏は日常料理漫画。このお話も日本と海外がシームレスにつながってますね。

シンプルに『ごはん』。やっぱりこれが無くちゃ。

(今回の一冊その1!)
『 実用の料理 ごはん』(高山なおみ、京阪神エルマガジン社)

ごはんの裏は『麦の記憶』。穀物つながりです。

続いて海外編。黒板の「特有の歴史や文化で出来た物がたくさん!!」は見れば見るほど的確ですね。

その裏側。おいしい、甘い、ばっかりではない食の現実。

漫画で見る料理、海外編は『中華一番!』。全3部作だって知ってました?

海外作家の漫画は残念ながら蔵書が無かったので、海外作家の美味しそうな小説。マヨネーズ忘れられたサンドイッチはダメでしょう……

中華を実際に作りたくなった人はこちら。日本とも馴染み深い、お隣の料理です。

そして裏側は中華&穀物。雑穀だけで1冊できちゃうんですね、中華。

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続いて2日目、テーマは「自然現象」。

幅広い自然現象を網羅したロゴデザインに注目。4種類の現象のアイコンが、そのままデザイン全体にも活かされてます。

なお、2日目の二人には、最後に棚の紹介文も書いてもらいました。残り時間の少ない中、急いでまとめてくれてありがとう! 二人の文も交えながら、棚を見ていくことにしましょう。

まずは全体。

今回作った本棚は「自然現象」というのをタイトルにして設置させていただきました。全体を見るとしっかり組み合わせを構成しながら分類して、タイトルに合うような本をバランスのいいように並べたところがポイントです。並べ方は上から順に
・気軽に手に取りやすい本
・天候や海についての本
・科学や気候についての本
・子供たちが手に取りやすいような漫画
・海や火山や台風などの自然災害の本
・地震についての本やその他の本
にしました。
僕たち以外の生徒も「食」をタイトルに特集棚を作っていました。その特集棚もいろいろな世代の方に読みやすいようになってますし、特集棚以外にいろいろなジャンルの本があるので是非手に取ってみてください。

1日目チームに負けず劣らず、かっちりした構成が伺えます。

「ちゃんと左をみて関連するのを右に置いてるのでそこも工夫したところと、全体がタイトルにあうようにもしました。」とのこと。ぶん文Bunの特徴である「棚のマス目同士の内容のつながり」をよく分かって作ってくれています。

さて、細部を見ていくことにしましょう。

まずは気候そのものについて。これまでの歩みと、現在の問題。

続いて個々の分野を突っ込んで扱う本たち。眠れなくなりそうな中身のも。

その一段下。「真ん中の左には小学生でも科学について学べる本もおかせていただいてます。」とのことで、ちゃんと子ども向けに目線を下げての配置です。

そして、ここで絶景本! これもまた気候が生み出したものですね、納得。

(今回の一冊その2!)
『 なぜこうなった? あの絶景のひみつ』(増田明代、講談社)

ひるがえって、気候にまつわる科学。というか、気候と科学は不可分ですね。「料学の本には宇宙と空というのがあって宇宙の科学と空の科学も学べるのでぜひ手にとって読んでほしいです。」とのことで、イチオシ。

その下、火山と台風。時に災厄ともなる、巨大なエネルギーたち。

そしてその気候・自然現象の舞台である「地球」そのもの。

さて、棚の反対側。まずは現代において外せない大問題「気候変動」。

我々の足元に目を転じて、土とその中の古生物、植物。

身近で不思議な自然現象「雪」と、それにまつわる暮らし。

「自然」という大きな題材への様々な切り口。

今度は見上げてみましょう。スケール大きく、雲と天気。

水つながりで海へ。南極の氷、海洋の異変、そして海底火山。

そして地の底へもぐって、地震の本。一番下に置かれているあたり、示唆的。

以上、意欲的かつ繊細に、ガッツリ2棚作って頂きました。椎葉中学校の皆さん、ありがとうございました!
例によって、特集棚の本は貸し出し可能です。ぶん文Bunで、中学生の捉えた世界を眺めてみませんか?

 

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この記事は、中学生の特集棚に刺激を受けて、新しい棚を組みたくて仕方ない「飛び出す司書」が担当しました。

でも、今回は同じくやる気満々の新人「時おこす司書」に譲ってあげよう。大人だから。