どんげでしょうか?:クリエィティブ司書の推し棚が、きぶんで選べるようになりました
椎葉村図書館「ぶん文Bun」のクリエイティブ司書、小宮山剛です。
長らくぶん文Bunの「クリエイティブ司書の推し棚」を更新しておりませんでしたが、この度ようやく新しいテーマのもと推し本を刷新することができました。
「どんげでしょうか?」
・・・それは、宮崎県で言うところの「いかがでしょうか?」です。ぶん文Bunがある「日本三大秘境」椎葉村でもよく「調子どう?」みたいなときに「どんげですか?」と言います。英語で言う ‘What’s up?’ ですね。
(ちなみに「どげんですか?」のタイプミスではありません。「どげん?」と訊くパターンが多いのは、クリエイティブ司書の出身地である博多でのことです・・・)
この棚の前に来ると、本たちが「今日はどんげね?」と語りかけてきます。まるで「今日はちょっといいことがあってね~」とか「もうダメだよ何もかもお終いだよ」と答えるかのように、その日その日のきぶんに合わせた本を選んでみてください。
「選べる24のきぶん」
皆さまのきぶんがどんな状態でもなんとなく当てはまりそうな棚があるようにと・・・24種のきぶんをご用意しました。24種のきぶんは、うれしい系・おこってる系・つまらない系・くるしい系・おどろいてる系・いとしい系の6系統にわかれています。コピーフレーズはあくまで「こんな感じ」という具合ですので、その日の気持ちに近い棚を覗いてみてくださいね。
・・・これら24種の「感情」に合わせた、あるいは何らかの連想ができる本をクリエイティブ司書が選びました。設置してある本もまた「きぶん」で変わることがあるかと思いますので、どんな本が選ばれているかはぜひ現地にてご確認ください。
「なぜこの本がこの気分なの?」と気になることがあったり、「わたしだったらこの気分のときにはアノ本を読みたいな」ということがあればお気軽にお話しくださいね。
「ぶん文Bun気持ちの輪」
「24種の感情」とこの柱型本棚のかたちをみたらピンとくる方がいるかもしれませんが、今回の「感情の区分け」は「プルチックの感情の輪」に着想を得ています。
人間のあらゆる心理状態を分析し、感情の強度や関係性・対称性を整理した理論・図式である「プルチックの感情の輪」。それをぶん文Bunの柱型本棚(六角形)に当てはめてキャッチコピー化したのが、ぶん文Bun式の「ぶん文Bun気持ちの輪」とでもいうべきものです。
ぶん文Bun気持ちの輪の要素一覧
- 喜悦
- ぶんぶんしちゃう
- 超爽快!
- 口笛でもふきたい
- いいことありそう
- 憤怒
- 勝手にしやがれ
- もう知らんぞ
- イライラきてる
- ムッとしちゃう
- 漫侮
- なにもかもつまらない
- 世界が灰色にみえる
- 楽しいことがない
- いろいろ飽きちゃった
- 悔悟
- すべてを投げ出したい
- どうにもならない
- わだかまりのある
- すこし失敗しちゃった
- 畏怖
- どん底
- 突然哀しくなった
- 腰を抜かしそう
- びっくりしちゃった
- 愛情
- もう逃れられない
- やみつきになりそう
- 「愛してる」
- 大切なものがある
「プルチックの感情の輪」についてはコチラなどによく説明されています↓
「Plutchik氏の「感情の輪」から学ぶエモーショナルデザイン」『UX MILK』 https://uxmilk.jp/64376 (2021/6/5 時点)
************************
今回の「どんげでしょうか?」特集を通して、本との出逢い方はいろんなかたちがあるのだということをお伝えできたら嬉しいです。
ぶん文Bunの棚は「本を探す」ためではなく「本と出逢う」ことを目的として組まれています。それは、本と本とがむすびつき連鎖する連想ゲームのなかに飛び込み、迷い、思いがけない物語をたくさん楽しんでほしいからです。
クリエイティブ司書としてはこの「ぶん文Bun気持ちの輪」企画を実践することで「素敵な偶然(セレンディピティ)をデザインする」ことにチャレンジしたいと思います。・・・ぶん文Bunを訪れることで、皆さんの世界に新たな連鎖反応が起こりますようにと願っております。