3月8日といえば「みつばちの日」ということで、椎葉村図書館「ぶん文Bun」のコハチローが騒いでいました。

・・・が、宮崎県にはもっと重要な日があるではありませんか。

第2回「宮崎本大賞」(みやざきぼんたいしょう)の発表です!

「好きなページはありますか。」という洗練されたコピーとキュンとくるクリエイティブでプロモーションに力を入れている今回の宮崎本大賞。ぶん文Bunものっからせていただきました!

宮崎本大賞」とは・・・?

宮崎本大賞とは、宮崎県内の書店員を中心とした本好きが店舗や業態の垣根を越えて集まり、地域の皆様が本に触れる機会が増えるように、また本に関係する場所に集まっていただくことを目的として設立した賞です。

宮崎本大賞Twitterより)

・・・ぶん文Bunとしても宮崎本大賞を椎葉の地でお披露目することで、地域の皆さまに「本が美味い!!」と思っていただきたいところです。まずは写真で、今回の展示の様子をご覧くださいませ。

そんなわけでテーマは「桜もいいけど、本が美味い!!」

「花より団子」ですね。コハチローがチョーク・アートの手抜きを疑っていますが、そんなことは断じてありません。(下手っぴなだけです)

行成薫さま、第2回宮崎本大賞の大賞受賞おめでとうございます!

受賞作『本日のメニューは。

今日も町のごはん屋さんで笑って、泣いて、食べよう。
食欲も涙腺も刺激される極上短編集 いきなり文庫!

入院中の父に中華そばを出前したい二人の子どもと、変わり者の大人たちが起こした奇跡(「四分間出前大作戦」)。マズメシ母に悩まされる女子高生と、おむすび屋の女性店主の愛情(「おむすび狂詩曲」)。底なし大食い男の葛藤と、デカ盛り定食を作り続ける頑固親父の秘めた過去(「闘え!マンプク食堂」)。熱々の美味しい料理と、それを取り巻く人間ドラマに食欲も涙腺も刺激される、5つの極上の物語。

集英社ホームページより)

コハチローもご満悦。「らっしゃい らっしゃい」しています。ちゃんと働いているかな?

今回の宮崎本大賞は気合が入っているというか、ビジュアルが本当にいいですね。小春日和の海岸線を思わせるモードが良い感じです。そんなビジュアルのポストカードと「しおり」は、宮崎本大賞特集コーナーの本をお借りいただく際にカウンターへお申しつけいただければ1枚プレゼントさせていただきます。

「両方ほしい!」という方へも、お1人様一枚ずつまでご進呈いたします。(在庫が無くなり次第終了させていただきます。)

そして記念すべき第1回宮崎本大賞の大賞を受賞した青山美智子さまの『木曜日にはココアを』も一緒に展示しています。日本とオーストラリアを繋ぐ数々のセレンディピティが可愛く美しい、忙しい日常のなかにホッとした温かさを注いでくれる一冊です。小宮山も大好き(レビューブログはこちら)、イチオシですよ!

「ココア」の本が無かったのですが・・・。せめて喫茶、コーヒーでいっぷくしていってくださいね。

そして、第1回宮崎本大賞の大賞を受賞した青山美智子さん。『お探し物は図書室まで』にて2021年の本屋大賞にノミネートされていますね!2月28日に二次投票が締め切られた本屋大賞。ぶん文Bunからは青山さまを応援したいと思いますよ!

そんな作品から生まれる「図書室」の連想。もっと図書館や本屋さんの本をみてみたいという方は、コハチローの「おすすめ番」にある「本の本」たちをご覧くださいね。

そして『猫のお告げは樹の下で』があったものだから、これみよがしに猫本を・・・。前回のドラえもん特集に続いての猫本登場ですね(笑)

第2回宮崎本大賞の品を展示するだけではなく、ポプラ社様の「おいしい文学賞」へと美味い本の連鎖は広がります。そこには数々の「食アンソロジー」たちの誘惑・・・。

白石睦月さまの『母さんは料理がへたすぎる』は、いい子だけど素直になれないところもある主人公や妹ちゃんたちの可愛さがあふれる「おいしい文学」です。料理がへたすぎるお母さん、そして天国からいつも家族を見守っている、料理がうますぎるお父さん・・・。おいしさが遠く離れてしまった家族を繋ぐ、多視点型の愛情小説です。

おいしさが止まらず・・・。たくさん食関連の本を集めてしまいました。

雑誌も35誌読めるぶん文Bun。今回の特集には『新潮』と『文學界』をピックアップいたしました。館内でご覧いただけますよ!

・・・そんなわけで、思いがあふれ長くなりましたが今回の特集は「桜もいいけど、本が美味い!!(宮崎本大賞特集)」でした。ぜひぶん文Bunにてご覧くださいね。

そして願わくば「いいな」と思った本を宮崎の書店さんで購入してみてください。とくに小説は、自分で持っておいて何度も何度も読み返してこそ味が出るというもの。まさに日替わり定食みたいに、読むときの気分や体調で物語の受け取り方が全然違ってくるものですよ。

・・・

今回宮崎本大賞の特集実施をお引き受けしたのも、椎葉村図書館「ぶん文Bun」をご利用される皆さまに大賞のことをお知らせすることで、最終的には地元の書店さんを応援したいからです。なぜならそのことが出版社さんや作家さんの収益となり、そうしてより良い本が生まれる基盤ができあがることで、巡り巡って図書館が充実しそこを訪れる方々のうれしさにつながるからです。

逆に「図書館は無料で本を貸すから書店/作家の敵」という見方も、全く大局観が無いものだと思っています。上記のような本を巡るサイクルを俯瞰すれば、図書館の活動も「見本市」(ショーウィンドウ)のような役割を果たしているということに気づくはずです。

図書館で下見して、気に入った本は地元の書店さんで買う。そう考えると図書館の成果数値というものは、貸出数なんかであるはずはなく、来館者でもなく、もしかすると地元書店さんの売上なのかもしれませんね。

↑のようなことは、近々発行される『みんなの図書館5月号』に発表されるクリエイティブ司書・小宮山剛の論文でも語られる予定です。こちらも書店さんや地方小出版物流通センターさんで注文できるそうですので、ご興味のある方はどうぞお手に取ってみてください。

それでは、またの機会に。

クリエイティブ司書
小宮山剛