ぶん文Bunレビュー(『私をくいとめて』綿矢りさ)
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今回のレビューは前回に引き続きミルフィーユさんから!いつもありがとうございます。
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今回お手に取っていただいたのは綿矢りささんの『私をくいとめて』。
芥川賞を史上最年少(2003年下半期:第130回の受賞時、19歳11か月)で受賞した作家さんの作品をどのように読み解いてくれたのでしょうか?
『私をくいとめて』(綿矢りさ)
頭の中で色んな意見が飛び交う。時々独り言となって、思いがけず口から言葉が出てしまう。そんな経験、あるのではないだろうか。
主人公のみつ子は、それがAという名を付けた分身として存在している。Aがいるからこそみつ子は暮らしていけるし、それなりに楽しい。Aは最高の理解者だ。
そんな中、「他人」が日常生活を侵略してくる。他人と親密になりたい。でも、今の快適さを失いたくない。考えの読めない他人の扱いがわからなくて、自分の気持ちがまとまらなくて、もう何もかも投げ出したくなって…。
とってもわかる。わかるからこそ、読んでいて胸が痛くなってしまった。自分と、Aと、どう向き合うのかは結末を読んでほしい。
わたしも今のままでいいのかな?変化するって勇気がいるけど、やってみようかな、と思える一冊だった。
ミルフィーユさん、ありがとうございます。みつ子の静かなる能弁に大きな理解を寄せるレビューでしたね。
他人との距離の取り方、他人という存在に疑問を抱くことで生まれる自分への絶えざる疑問(それが顕在化したかたちとしてのA)。不思議が不思議を呼び不信が不信を呼ぶような、それでいて時に甘く、だいたい辛い・・・。「人付き合い」ってすごいことですよね。
この『私をくいとめて』。実は昨年末に映画化されたことを皆さんご存知でしょうか?みつ子役はのんさん、多田くんの役は椎葉村図書館「ぶん文Bun」が推しに推している林遣都さんでした。
映画『私をくいとめて』のレビューについてはクリエイティブ司書の小宮山が個人のnoteにも認めております。
→きっと、くいとめられない:『私をくいとめて』観賞記(https://note.com/tsuyoshikomiyama/n/nc7d412dbf2ef)
もしよろしければご一読いただき、映画も小説もあわせて『私をくいとめて』を楽しんでみてはいかがでしょうか?のんさんの「怪演」は必見ですよ!
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※※これまでのぶん文Bunレビューを下記ページに格納し、逐次更新しております※※
【ぶん文Bunレビュー投稿記録(2020年9月~)】
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※椎葉村図書館「ぶん文Bun」に置いてある本はこちらのページにて検索できます。
(クリエイティブ司書・小宮山剛)