ぶん文Bunレビューキャンペーン」に新しいご投稿をいただきました!

実は、今回のレビューは12月24日に届けられたものです。ミルフィーユさん、素敵なクリスマス・プレゼントをありがとうございます!

\ぶん文Bunレビュー投稿方法/

 

※※※どなた様のご投稿も歓迎です※※※

 

映画でも話題になった一作のレビューを書いてくださったミルフィーユさん。今回は2タイトルのご応募ということでいうなれば2冊分・・・。ミルフィーユさんのレビュー数を4冊目、5冊目とカウントさせていただきましたので、次回ぶん文Bunへお越しの際はぜひ「レビュー5冊目特典」のコハチローオリジナルキーホルダーをお受け取りくださいね!

それでは早速、レビューを読ませていただきましょう!


 

『神去なあなあ日常』/『神去なあなあ夜話』(三浦しおん)

 

「なあなあ」。宮崎弁で言えば「てげてげ」だろうか。

しかし、「なあなあ」はもっと色んな使い方をされる。挨拶としても使うらしい。良い言葉だ。

神去村でこの言葉がよく使われるのは、林業が村の主な産業だからだ。『この村のひとたちは、百年後を見据えて山に木を植えつづけ、先祖が植えた木を切りつづけて、生きてきた。』

長いスパンで繰り返され、天災によって全てがひっくり返される仕事。そんな林業に携わる人が村に大勢いれば、この精神を取り入れ、この言葉を使うのも頷ける。

都会で暮らしていた青年が、ひょんなことから小さな村で暮らすことになる。「日常」では林業、「夜話」では生活について、特に書かれている。椎葉村と関わりの深い林業のことを知ることができるし、山での暮らしを体験している感覚になれる。

『斜面を風が渡るときの葉ずれの音、湿って甘い土の香り、流れる雲の影、…なんだか居心地よく感じられるようになったんだ。』

椎葉の人たちは、ここにはいろいろなものが無いと言う。確かに不便な面はあるけれど、代わりに素敵なものが周りにたくさんあるのになあと移住者のわたしは思う。存在して当たり前なのだろう。

紅葉する木々がいたるところにあったから、1ヶ月前頃はすぐ散歩に出かけて、こんな景色をすぐ見られるなんて贅沢、と感じたことを思い出した。

・・・わたしの「椎葉てげてげ日常・夜話」もいつか書いてみようかなあ。

 


ミルフィーユさん、ありがとうございます!

舞台となった「神去村」は三重県にある山村。三重県の「美杉町」ということで、きっと美しい杉がたくさん育っているのでしょうね・・・。

ちなみに宮崎に多い「黒木さん」は、宮崎の山間部で美しく育つ黒い杉で林業を営み繁盛した人々が黒木姓を名乗ったことに由来するのだとか(この前テレビでやってました)。椎葉村も林業に力を入れているということで、椎葉に住みながら読むのに『神去なあなあ日常』と『神去なあなあ夜話』はぴったりですよね。

クリエィティブ司書としては、染谷将太さん主演の映画『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』のイメージが強い本作。伐採現場に向かうトラックのなかで山師仲間に認められるシーンや、最後のお祭り(!)で期せずとも見事大役をこなす姿は「移住っていいかも!」と思わせてくれました。

椎葉へ移住されたというミルフィーユさんの『椎葉てげてげ日常・夜話』も、心待ちにしております!移り住んだからこそわかる椎葉の魅力や、ゆったりと過ぎる時間の大切さ、そして身の回りにある美しい風景の本質的なきらびやかさ・・・。そんなものが詰められた物語になるんだろうな、と今から大期待しておきます( ˘ω˘ )

椎葉のみつばち

もしかすると、これが今年最後のぶん文Bunレビューになるのかもしれませんね。椎葉村交流拠点施設Katerieと椎葉村図書館「ぶん文Bun」は令和2年12月25日(金)から令和3年1月3日(日)まで年末年始の休館期間(臨時休館期間を含む)となっていますので、また来年お会いしましょうね!

みなさま、2020年はありがとうございます。来年もまた、素敵な「読み」と「語り」がたくさん生まれますように・・・!

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※※↓その他のレビューもご覧ください↓※※

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ぶん文Bunネーム「ななろくに」さん / 『むらさきのスカートの女』(今村夏子)

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ぶん文Bunネーム「円」さん / 『ニーベルンゲンの歌』(岡﨑忠弘訳)

 

※椎葉村図書館「ぶん文Bun」に置いてある本はこちらのページにて検索できます。

 

(クリエイティブ司書・小宮山剛)